こんにちは。プロしあわせちゃん(@shiawasechannet)です。
40代バツなし独身子なしです。
美人さん
興奮してる方、いますか?
私です。山田詠美さんの『無銭優雅』を読みました。理想の恋愛です。恋愛のイメトレにもってこいです!
今回は、「『無銭優雅』(山田詠美)の感想」を記します。
わかち合えたら嬉しいです。参考になれば幸いです~
- 『無銭優雅』を読んで、感想をわかち合いたい人!
- 『無銭優雅』を読もうか迷ってる人!
『無銭優雅』あらすじ
友人と花屋を経営する斎藤慈雨と、古い日本家屋にひとり棲みの予備校講師・北村栄。お金をかけなくとも、二人で共有する時間は、”世にも簡素な天国”になる。「心中する前の心持ちで、つき合っていかないか?」。人生の後半に始めた恋に勤しむ二人は今、死という代物に、世界で一番身勝手な価値観を与えている――。恋愛小説の新たなる金字塔!(文庫本より)
『無銭優雅』感想
- ズバリの「ネタバレ」はありません。
- なんとなく作品の雰囲気が伝わるくらいに「ネタバレ」はあるかもです。
40代、大人の恋愛バイブル!
『無銭優雅』。40代おひとりさま女性に、超超超超オススメです!
私たち独身だから、恋愛しても不倫になりません!(相手には要注意。笑)
まだまだ恋愛し放題です!
いい年して独身でよかったかもしれない、と思わせてくれる1冊です!【関連記事】独身貴族!40代「おひとりさま」でよかったこと
- 主人公の慈雨ちゃんは42歳。バツなし独身。実家暮らし。
- 彼氏の栄くんは45歳。バツあり独身。一人暮らし。
2人のラブラブっぷりがたまりません。
大人のバカップル。
でも、ちゃんと大人。
酸いも甘いも、いろんなことを理解して、経験した上での、あえての「バカップル」。
端から見れば、「薄汚い中年貧乏カップル」です。
慈雨ちゃんも栄くんも、美男美女ではないし、地位も名誉もお金もない。欠点だらけ。
でも、かけがえのない2人。
「幸せ」の説得力が深いです。うらやましい。
私事ですが、恋愛に臆病になっています。面倒臭くなっています。
でも、本音では、死ぬまでにもう一度くらい恋愛がしたいです。
5年に一度彼氏ができるので、来年あたりそろそろかと期待しています。【関連記事】なぜ?独身40代「恋愛したいけどできない」6つの理由
慈雨ちゃんと栄くんみたいな恋愛がしたいです。
『無銭優雅』を読んで、絶賛イメトレ中です。
40代独身者の「恋愛イメトレ」にマジでガチでおすすめです!
山田詠美様の「感性」と「表現力」がえげつない!
以下、『無銭優雅』からの抜粋&引用させていただきます。
好きな男に見下されるのを心地良いと感じる時、恋しているんだなあ、と思う。
自分の世界を大事にしないって美しい気がする。こだわり、なんてものを魅力のひとつだと思っているその辺の男とは次元が違う。
たいしたことない世界。それは、どれ程生きるのを楽にすることか。
使えないもの持ってるって贅沢じゃないか。
大人になると、運命と成り行きって、ものすごく似てる気がしちゃうのだ。そして、運命に身をまかせるよりも、成り行きに身をまかせる方が、上等な所作のように思える。自分をないがしろに、あえてしてみよう、謙譲の美徳。
人の考える頼り甲斐と、私にとってのそれは決定的に違っているのだ。体が大きいことや経済力があることなどに安心を感じるなんて有り得ない。それは、ただの便利だろう。たとえば、私の伝えようとする言葉を正確に受け取ってくれる人に出会った時。頼りになるなあ、と目頭が熱くなる。大袈裟みたいだけど、でも、ほんと。そういう瞬間、自分でも驚くほど、口数は多くなる。
私が寂しいと本当に感じるのは、にこやかに、通じない言葉で人と関わり合うことだ。最大公約数みたいな語彙で、周囲と意志の疎通を図らなくてはいけない場面に遭遇すると、そこはかとなく惨めな気持ちになってしまうのだ。
我ながら不器用だなあ、と思う。不器用を褒め言葉としてくれるのは、関係が上手く行っている時の恋人だけである。
意味のないいばりんぼって、いばってないのと同じことだからいいと思うの。
あったかい手っていうのは、下世話な手のことだよ。
片思いの出来ない女。それが私だ。
この世の中には、人の数だけ主流があるんです。
若いって物知らずってことなんだな、というこちらの落胆と、年上って古いってことなんだな、というあちらの失望が一致した時に、どちらからともなく関係の解消を提案した。
はげの魅力が解んない内は、まだまだ子供だね。
若く愚かだった頃、いや、今でも充分に愚かなのだが、それよりもずうっと愚かだった頃、年配の女性を見て、あんなふうに年を取りたくないもんだ、とちょっぴり人を蔑んだことが、私にもあった。
相手が変われば、それはいつも初恋だって。
経験は人を学ばせるけれども、強くはさせない。強がる術を身に付けさせるだけ。むしろ、どんどん、私は臆病者になって行っている。怖いものなしだった頃が懐かしい。けれど、もう戻れないし、戻りたくない。臆病者であるのを自覚するからこそ、失いたくないものへの強烈な欲望に身をゆだねることが出来る。経験が仕立て上げた贅沢な臆病者。
世間、気にしても、誰も、褒美、くれねえし。
必要以上のお金を持たないことが、その人の魅力の一部になっている、そんな男って、いるものだ。
そう、私は、恋の駆け引きとは無縁の女。好きだから、好きになってくれたから、つき合う。それだけ。ヴェリィ シンプル。
御行儀の良い恋愛が退屈だってこと、もう、とっくに知っている。
良い子は、子供だけの特権だ。そして、無作法は、大人だけに許された特許だ。
お互いしか見えない恋以外なんて恋とは呼ばない。そういう恋とは呼べないつき合いもまた楽し、と昔は感じたものであるが、この期に及んで、その薄さを享受する余裕はない。集中こそ、色恋の醍醐味。
大人になると夏休みの記憶は感傷の宝庫だものね。プールから帰って来て、畳でお昼寝しながら聞いたちりんちりんって音、あの頃は何も感じなかったのに、今は思い出の御馳走くらいに格上げされてる。
こちらの都合の良さとあちらの都合の良さが合致してこそ、恋は、発展をみるのである。
人のために自分を差し置くのを信条とするような出来の良い人間には、永遠になれないと思っていた。でも、ようやく解ったの。自分のためにも、そうしてくれる人のためになら、いともたやすく、一歩下がることが出来るんだって。
四十過ぎの女は枯れ始めるなんて、嘘。その証拠が私なのである。栄とするのが楽しくて仕方ない。それは、たぶん、彼がおだて上手だからだと思う。そのおだて方は、よその男たちが若い女の体を誉めるような当り前のものではないのだ。私が私であるという証拠を見つけて、そこを誉めてくれるのだ。
自暴自棄って若者だけの特権だよ。
若者の諦めは不甲斐ないものですが、年寄の諦めは美学にも通じていますの。
好きな詩人は、いつだってその人の知り合いだと思うよ。
そういや、上手く行ってる夫婦って、どこも、そっくりだ。
二人共、年を取りそこねてる感じがした。ちょっと、羨ましかった。この年齢で、現実に噛み付かれてないたたずまい保つのって、技がいるものね。
咀嚼した膨大な書物を、実生活で使いこなして来た人の顔だ。
どっちかが死んだ時点で、心中と一緒だよ。心は、きっと後追い自殺する。だから、それまでは、ずっと、心中までの道行き。
仏さんを恐くないと感じる時、人は、その人を愛しているのだと理解した。
心打たれた表現の一部です。
まだまだありました。本が付箋だらけになって困りました。
表現だけじゃなく、ストーリーも面白いし、出来事によってあぶり出される価値観も大好きだし…
まとまらない感想ですみません。
しあわせちゃん
今回のまとめ
- 『無銭優雅』は、40代独身者の恋愛バイブル!
- 『無銭優雅』は、40代独身者の恋愛イメトレに最適!
- 『無銭優雅』は、1ページに1枚付箋を貼りたくなるくらい、表現や価値観が魅力的!
しあわせちゃん
タコ師匠
