(毎日更新)独身日記2020年8月

桐野夏生『OUT』ネタバレあらすじ&感想!(小説&ドラマ)

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こんにちは。プロしあわせちゃん(@shiawasechannet)です。

40代バツなし独身子なしです。

美人さん

桐野夏生さんの『OUT』、どんな内容だったっけ?…昔読んですごく面白かった記憶があるけど…細かく思い出せない…読み返したいけど、その前にまずあらすじを思い出したい…

モヤモヤしてる人、いますか?

今回は、「桐野夏生『OUT』あらすじ&感想」を記します。

40年間読書してきた中で一番面白い小説です!ドラマ版も最高でした!

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  • 小説とドラマの違い
  • 感想

わかち合えたらうれしいです、参考になれば幸いです~

この記事はこんな人におすすめ
  • 『OUT』のあらすじを知りたい人!
  • 『OUT』が大好きな人!
  • 桐野夏生作品が好きな人!



小説『OUT』文庫本公式あらすじ

上巻

深夜の弁当工場で働く主婦たちは、それぞれの胸の内に得体の知れない不安と失望を抱えていた。「こんな暮らしから抜け出したい」そう心中で叫ぶ彼女たちの生活を外へと導いたのは、思いもよらぬ事件だった。なぜ彼女たちは、パート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか?犯罪小説の到達点!

下巻

主婦ら四人の結束は、友情からだけではなく、負の力によるものだった。その結びつきは容易に解け、バランスを欠いていく。しかし動き出した歯車は止まることなく、ついに第二の死体解体を請け負うはめになる。彼女たちはこの現実にどう折り合いをつけるのか。大きな話題を呼んだクライム・ノベルの金字塔。



小説『OUT』あらすじ

深夜の弁当工場で働く女たち…

  • 香取雅子(43歳)

元信用金庫に勤めていた。

知的で冷静。工場の仲間たちから一目置かれている。

夫は建設会社に勤めているが出世コースから外れている。鬱屈している。

息子は大学を中退。引きこもって口をきかない。

家庭は殺伐としている。

  • 吾妻ヨシエ(50半ば)

寡婦。働き者。いかにも肉体労働に向いてそうな、がっちりした蟹のような体格をしている。

工場仲間から小さな揶揄を込めて「師匠」と呼ばれている。

古い木造アパートで姑の介護をしている。金がない。

娘が2人いるが、長女は男と駆け落ちして消息不明。

  • 城之内邦子(自称29歳/本当は33歳)

団地で夫と暮らしている。

派手好き。借金を抱えている。口が軽い。

デブでブス。容姿が悪いため水商売で雇ってもらえず、仕方なく工場で働いている。

愛車は緑色のゴルフカブリオレ。

  • 山本弥生(34歳)

美人。夫と、小さな息子が2人いる。


女たちは、深夜0時から朝5時半まで、延々と休みなく、ベルトコンベアで運ばれる弁当を作り続けている。

弥生が夫を殺してしまう…

雅子のところに、弥生から電話がかかってくる。

夫を殺してしまったという。

弥生の夫は、貯金500万円をバカラ賭博と中国人クラブのホステスに使い込んでいた。給料も3か月家に入れていない。弥生が意見を言うと殴る。

その日も、夫は弥生を無視して中国人クラブに出かけようとしていた。

弥生は衝動的に夫をベルトで絞め殺してしまった。

「あんたはどうしたいの?」と雅子は弥生に訊ねる。

「あたしはこのままでいたいの。だって、子供も小さいし」と弥生は答える。

雅子は、自分でも理由がわからないまま、弥生を助ける決意をする。

雅子、ヨシエに協力を依頼する…

雅子は、弥生の夫の死体をバラバラにして捨てることを決める。

ヨシエに手伝ってくれるよう頼む。

「あたしは駄目。できないよ、そんなこと。絶対」と断るヨシエ。

「じゃ、金返してよ」と雅子はヨシエを脅す。娘の修学旅行代八万三千円が用意できないというヨシエに金を貸していた。

金を返せないヨシエは協力するしかない。

死体をバラバラにする…

雅子の家の風呂場で、死体の解体作業が行われる。

死体をレジャーシートの上に置く。

服をハサミで切る。雅子の家の刺身包丁とノコギリで死体を解体していく。

と、作業の途中、邦子が訪ねて来る。

雅子に、金を貸して欲しいと借金の相談に来たらしい。

死体の処理をしていることが邦子にバレてしまう。

雅子は仕方なく、金を払って邦子に死体の処理を手伝わせることにする。

全部で43個。死体の入ったビニール袋ができあがる。

ゴミ集積所に少しずつ捨てていくことにする。

ヨシエは自転車だから5個。

邦子が15個。

雅子が頭部と残りを引き受ける。

バラバラ遺体が発見される…

K公園でバラバラ遺体が発見される。ニュースになる。

公園のゴミ箱に15個のビニール袋が捨てられていて、清掃員が見つけたという。

邦子が面倒臭がって捨てたのだ。

身元が特定され、弥生の元に警察が来る。雅子やヨシエや邦子の家、工場にも警察が来る。

4人の女たちは怯える。

が、重要参考人で逮捕されたのは別の人物だった…

  • 佐竹光義(43歳)

バカラ賭博と中国人クラブの経営者。

高校生のとき父親を殴り倒して家を飛び出した佐竹は、ヤクザの組に拾われ、売春婦の逃亡を防ぐ仕事を手伝わされた。

26歳の時、娼婦を別の組織に紹介していた口入屋の女を、リンチでなぶり殺した。

裸にして殴って殴って強姦し、気絶した女の目を覚まさせるようにナイフで何か所も刺し、血だらけの女をまた強姦した。

7年刑務所に入っていた。


弥生の夫が店のホステスにしつこく付き纏うため、佐竹が弥生の夫を殴ってお灸を据えていた。

そのせいで疑われたのだった。

ニュースを見て、雅子たちは安堵する。

しばらくして弥生の夫の保険金5千万円が下りる。雅子が200万円、ヨシエと邦子が50万円を弥生から受け取って、事件は終わったかに思える。

死体処理ビジネス…

雅子の前に男が現れる。

  • 十文字彬

邦子が借金している消費者金融の社長。

昔、雅子が勤めていた信用金庫で取立屋まがいのことをしていた。その時から、雅子の存在を気にかけていたという。


雅子は、十文字から死体処理ビジネスを持ちかけられる。

邦子が、借金をチャラにしてもらう条件で秘密を全部話してしまったらしい。

雅子は、十文字をきっかけに、信用金庫時代のことを思い出す。

女はいくら仕事ができても出世できない。同期や後輩がどんどん上司になっていく。同じ仕事をしているのに、給料も違う。

おかしいと、雅子は上司に直談判した。

と、男性社員たちからの嫌がらせが始まった。支店への単身赴任を命じられた。家庭があるため単身赴任することはできない。信用金庫を辞めた…

雅子は十文字の死体処理ビジネスを、一体400万円で引き受ける。

ヨシエにも100万円で手伝わせることにする。

第2の死体解体…

十文字が運んできた死体を、雅子とヨシエは風呂場で解体する。

十文字の田舎にゴミ焼却炉がある。細かくして宅急便で送り、焼却炉で焼いて始末することになっている。

雅子は心を隙間を埋めるため、ヨシエは金のため、死体をバラバラに解体する。

不審な出来事…

雅子、ヨシエ、邦子、弥生。それぞれの身辺で不審なことが起き始める。

誰かに身辺をかぎまわられている様子。

第3の死体解体…

そんな中、第3の死体解体の依頼がくる。

風呂場に、シートにくるまれた死体が運ばれてくる。

雅子は嫌な予感がする。

シートを剥ぐと、死体は邦子だった。

佐竹の復讐…

佐竹の復讐だった。

バラバラ事件は物証が上がらず、佐竹は釈放されていた。

が、容疑者となったことで、バカラ賭博場もクラブも失った。

過去の殺人を知られたことで信用が失われたこと。就学ビザしか持たない中国籍の従業員が警察と関わることを恐れていなくなったこと、が原因だった。

佐竹はバラバラ事件の犯人が妻の弥生だと直感していた。

佐竹は巧妙に邦子に近付くと全てを聞き出す。その後、殺害。

弥生にも近付き、夫の保険金5千万円を強奪。

ヨシエの家にも放火。

残るターゲットは、雅子だけだった。

佐竹は雅子への復讐に燃えていた。昔、残虐に殺した女に、雅子はそっくりだった。

雅子vs佐竹…

雅子は恐怖に怯える。怯えながらも、(自分は佐竹を殺して逃げる。邦子みたいに佐竹から殺されるのはまっぴらだ…)と己の意思を確認する。

弁当工場の駐車場で、油断したところを佐竹に襲われる。

廃工場に連れ込まれる。

下着をむしり取られ、冷たいステンレス台の上に縛り付けられる。

無理やり犯される。殴られ、何度も犯される。

雅子は性行為に没頭するふりをして佐竹の気を緩ませる。

トイレに行きたいと訴える。

ダウンジャケットを羽織り、用を足して佐竹のところに戻る。

護身用にとダウンジャケットのポケットに入れていた手術用のメスで、佐竹の顔を切り付ける。

佐竹の顔から鮮血が溢れ出る。

血だらけで死にそうな佐竹を抱えながら、雅子は佐竹が過去に捕らわれていたことを感じる。バラバラ事件の復讐よりも、過去の出来事が佐竹の心を縛っていた。

そして、自分が佐竹と同類だと感じる。

エピローグ…

佐竹は死んだ。雅子が殺した。

雅子は深爪に近いほど短く切られた自身の指の爪を眺める。

弁当工場の仕事のために、二年間一度も長く伸ばしたことはない。青白い手は、過剰な殺菌消毒ですっかり荒れている。信金で二十年間働いてきたこと。子供を産み、家事をして、家族と暮らしてきたこと。体に染みついたこれらの痕跡は、紛れもなく雅子自身にほかならない。

佐竹は虚ろな夢に生き、雅子は現実を隅から隅まで舐めて生きる。

雅子は、自分の欲しかった自由は、佐竹の希求していたそれとは少し違っていたことに気付く。

雅子はこれから航空券を買うつもりだった。

死体解体のお金で海外に飛ぶつもりだった。背中でドアが閉まったのなら、新しいドアを見つけて開けるしかない。



小説『OUT』感想

あらすじだけでも、めちゃめちゃ面白いです。

このあらすじ(ストーリーライン・プロット)が、桐野夏生様の筆力で迫力・リアリティ・気持ち・デティールたっぷりに描写されます。

面白すぎて語彙力なくなってすみません。

とにかく、読んで本物を味わってみて下さい。

ただ、小説版のラストはちょっと抽象的すぎる気もします。

その点は、ドラマ版の方が受け入れやすいかもしれません。



ドラマ版『OUT』小説版との違い

ドラマ版は1999年フジテレビで放送されました。

小説も最高ですが、ドラマ版も拍手喝采したくなる出来です。大傑作です。

配役は、

  • 雅子:田中美佐子さん
  • ヨシエ:渡辺えり子さん
  • 邦子:高田聖子さん
  • 弥生:原沙知絵さん
  • 十文字:哀川翔さん
  • 佐竹:柄本明さん

小説と異なる点は3つです。

  • 刑事が主役級
  • 雅子の夫も殺される
  • テーマやカタルシスがわかりやすい

刑事が主役級

刑事は、小説では目立ちません。

ドラマでは主役級です。飯島直子さんが演じています。

  • 元少年科で、雅子の息子を補導したことがある。
  • 息子の補導がきっかけで雅子と友人になった。

バラバラ事件について、雅子を疑い、追いつめていきます。

さらに、この刑事自身も警察という男社会において、女であることを理由に不当な扱いを受けています。

  • 雅子を追いつめる役
  • 作品のテーマ(女性たちの生き方、自立)への深み

見事に果たしています。

雅子の夫も殺される

小説だと、雅子の夫は存在感が薄いままです。

ドラマだと、雅子の夫は妻が死体をバラバラにしていることに気付きます。さらに、佐竹によって殺されてしまいます。

小説も凶暴ですが、ドラマはもっとエグイです。

テーマやカタルシスがわかりやすい

小説では、雅子は最後に佐竹を愛します。自分で殺そうとしながら、佐竹に生きていて欲しいと願います。

伝わる人には伝わるけど、正直わかりづらいです。

ドラマでは抽象的な表現は排除してあります。

気持ちや関係性が、納得できるよう、具体的に描かれています。

登場人物たちの未来も、悲惨ではあるけど、希望が見えるよう描かれています。

いま見返しても、本当によくできたドラマです。

ソフトはVHSしか販売されていません。

配信は「FODプレミアム」で見られます。

1か月無料期間があるので、興味があるなら絶対おすすめです。本気で名作です。

\FODプレミアム公式ページ/





今回のまとめ

桐野夏生様作品、どれも大好きです。

その中でも『OUT』は面白すぎて気絶です。

しあわせちゃん

ドラマ版もまた見たくなってきた…FOD脱退してしまったけどどうしよう…Huluでもやってくれまいか…
『OUT』、マジで最高かよ!

タコ師匠

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